行動では離れて行ってもで心はお互いを見てる
発表会が終わって、也映子は婚活に精を出し、幸恵さんは多実ちゃんのナイスなフォローでお義母さんの態度がぐっと軟化、そして理人は結愛となんとなくいい感じになっています。
3人のミニコンサートを控え、理人にとっての最後のレッスンを終えた3人ですが、お疲れ会でもやろうという也映子の提案に、理人は
「ごめん、いーや」
と、あっけなく帰ってしまいます。そのあっけなさに也映子は、発表会の後の二人での打ち上げの也映子のマジ泣きも
「覚えてないんだろうな」
と思います。
3コン(3人のミニコンサート)のリハをしながら、也映子は体験レッスンで初めて2人と会った時のことを思いだしながら弾き、あげく曲が頭から飛び、演奏を止めてしまいます。気分を変えるためにドリンクバーに飲み物を取りに行き、そこで理人に
「マジ泣き、覚えてたよ」
と言われ驚くのでした。
「それで、あのあっけなさかよ」
と心の中で突っ込みます。
理人という青年は、とことん掴みどころがないのです。あっけないかと思えば、眞於先生には執着ともいえる情熱を抱いていたり、どんな反応をしてくるか予測がつきません。地面にバウンドさせると、どの方向に弾んでいくかわからないラグビーボールのようなものです。キャッチするのには相当の反射神経が必要です。その意味では也映子はいい線いっているかもしれませんね。予想がつかないカードを出してくる理人に対して、しっかり反応をして返しています。
婚活、カップル成立?
也映子は茫然として目の前の相手を見ていました。
コンタクトから眼鏡に戻して気を抜きまくって参加した婚活パーティーで、カップル成立してしまったのです。正直、どんな会話を交わしたかもあまり覚えていなかったので、びっくりしたのです。
相手の白鳥さんから、也映子が眼鏡をかけているのを気に入ったと言われ、なんとなく違和感を覚えた也映子ですが、なんとか白鳥さんのいいところを見つけ、前向きに交際に向けて舵を取ります。
ところがリハをドタキャンして行ったデートで、その違和感が無視できないほど大きくなっていきます。その様子を目撃した理人は、その後一人居酒屋で酔っ払う也映子を送りながら
「そいつ、振っていいと思う」
と告げるのでした。
也映子は白鳥さんに断りのメールを入れ、婚活を凍結し3コンの練習に励みます。
酔って理人と夜道を歩きながら、也映子はバイオリンを弾きたくてたまらなくなります。音楽が恋しい夜です。前日にも床についてからエアバイオリンを弾き、初めて音を出した時のことを思いだしていました。そのトキメキを忘れられなくなっていたのです。バイオリンが也映子の生活の中で大きな割合を占めるものになっていったのでした。
楽器を演奏する人は共感できるのではないでしょうか。最初に奏でたトキメキはまるでカーナビのように、ここから先へ、上へと連れて行ってくれるのです。そして気が付いたら楽器が手放せなくなっています。
一方理人は結愛がバイオリンには興味がなく、理人がやっているから応援しているだけと言っているのを聞いてしまいます。
そしていよいよ3人は3コン当日を迎えるのでした。
ありがとうは雨上がりの翌日のようにすべてを洗い流して
ガチガチに緊張していた也映子でしたが、演奏をはじめるとリラックスして音楽に浸れていたようです。台詞なしの絵だけの描写ですが、3人の表情でそれがわかります。息の合った、いい演奏だったのでしょう。3人はそれぞれ今日までのことを思いだしながら弾いています。
そして最後の曲の前に幸恵さんの挨拶がありました。ドラマ版で幸恵さんのエアバイオリンに感動した人続出でしたが、この挨拶も本当に泣けます。大人だからこそ、諦めたり我慢したりも多いからこその思いが溢れています。途中から也映子はウルウル、幸恵さんもついに想いがこみ上げてしまい二人でポロポロ涙をこぼすのでした。幸恵さんの挨拶は也映子と理人、多実ちゃんとお義母さんに向けた
「ありがとう」
の言葉で締めくくられます。
「ありがとう」
また、その言葉は眞於先生から3人へ贈られ、
「ありがとうございます、お幸せに」
理人から、新しい彼氏ができた眞於先生に贈られるのです。そして、也映子から
「ありがとう、私のバイオリン」
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