2019年 8月 の投稿一覧

すみだストリートジャズフェスティバル体験記

9月17日 すみだストリートジャズフェスティバルに行ってきました

心配だった台風も問題なし、す。目指したのですが、途中両国駅に着いたところで電車からライブの様子が見えたのでここで下車してみまし暑い、熱い一日を墨田区で楽しんできました。

すみだジャズではかなりの有名ミュージシャンも無料で聴けるのですが、今回は夜に予定があったため16時には帰らなければならないので、ノープランで回ることにしました。

まずは錦糸町を目指しましたが、両国駅でライブの様子が見えたのでここで降りてみることにします。駅を出るとすぐ会場で、ビッグバンドが演奏中でした。演奏していたのはGood Morning Jazz Orchestra

子供を持つお母さん中心のバンドで、出産後もそれほど時間を空けずに復帰されるメンバーが多いとのことです。子育て中でも演奏活動を楽しめる時代になって嬉しい限りです。

次はいよいよ錦糸町を目指します。錦糸町駅南口のステージです。鈴木楽器製作所PREZENTS ケンハモ×jazz

のステージを聴くことにします。鍵盤ハーモニカを使ったユニットが4組出演です。

写真はGranada 3番目の出演です。

南口界隈をぐるっと回ってみました。横断歩道を渡ったすぐ先にもステージがあります。

その先にもステージがありました。横断歩道を渡ってぐるりと一周するだけでいくつものステージに遭遇します。

ファンクやロック多めな感じでした。

錦糸町駅に戻り北口から錦糸町公園に向かいます。錦糸町公園内会場はフードブースやワークショップ、縁日など子供も楽しめるコーナーもあり、ピクニックしながら家族で楽しめる会場となっていました。

錦糸町公園広場をパレードしていたのはFUNK UP BRASS BAND

いかにもストリートジャズフェイスティバルといった感じで楽しさ倍増でした。

ベリーダンスのワークショップもありました。観客の皆さんも一緒に踊ります。とても解放的で楽しそう。

公園内、ハイネケン・キリンステージではBimBomBam楽団がライブ中、ビールと豚串両手に持ち鑑賞。

編成が豪華でとっても楽しいライブでした。

時間切れでここで離脱しましたが、どうしても気になったTシャツだけ購入。

 

ここに注意!すみジャズ攻略法

攻略法というほどのものではないのですが・・・。

会場は結構範囲が広く、4駅(錦糸町駅、押上駅、とうきょうスカイツリー駅、両国駅)に跨っており、各駅間をステージが埋め尽くすというわけでもないので、公式ぺージから地図をダウンロードして回った方が効率的に楽しめます。行き当たりばったりで回るのも楽しいのですが、会場の場所だけは把握しておいた方がいいでしょう。

また、会場間を無料のシャトルバス「ジャズバス」が走っています。バスの中でも生演奏を楽しめます。こちらをうまく利用するといいと思います。移動自体が楽しくなります。

9月17日 すみだストリートジャズフェスティバルに行ってきました

心配だった台風も問題なし、す。目指したのですが、途中両国駅に着いたところで電車からライブの様子が見えたのでここで下車してみまし暑い、熱い一日を墨田区で楽しんできました。

 

すみだジャズではかなりの有名ミュージシャンも無料で聴けるのですが、今回は夜に予定があったため16時には帰らなければならないので、ノープランで回ることにしました。

 

まずは錦糸町を目指しましたが、両国駅でライブの様子が見えたのでここで降りてみることにします。駅を出るとすぐ会場で、ビッグバンドが演奏中でした。演奏していたのはGood Morning Jazz Orchestra

 

子供を持つお母さん中心のバンドで、出産後もそれほど時間を空けずに復帰されるメンバーが多いとのことです。子育て中でも演奏活動を楽しめる時代になって嬉しい限りです。

 

次はいよいよ錦糸町を目指します。錦糸町駅南口のステージです。鈴木楽器製作所PREZENTS ケンハモ×jazz

 

のステージを聴くことにします。鍵盤ハーモニカを使ったユニットが4組出演です。

 

 

写真はGranada 3番目の出演です。

 

南口界隈をぐるっと回ってみました。横断歩道を渡ったすぐ先にもステージがあります。

 

 

その先にもステージがありました。横断歩道を渡ってぐるりと一周するだけでいくつものステージに遭遇します。

 

ファンクやロック多めな感じでした。

 

錦糸町駅に戻り北口から錦糸町公園に向かいます。錦糸町公園内会場はフードブースやワークショップ、縁日など子供も楽しめるコーナーもあり、ピクニックしながら家族で楽しめる会場となっていました。

 

 

錦糸町公園広場をパレードしていたのはFUNK UP BRASS BAND

 

いかにもストリートジャズフェイスティバルといった感じで楽しさ倍増でした。

 

 

ベリーダンスのワークショップもありました。観客の皆さんも一緒に踊ります。とても解放的で楽しそう。

 

公園内、ハイネケン・キリンステージではBimBomBam楽団がライブ中、ビールと豚串両手に持ち鑑賞。

 

編成が豪華でとっても楽しいライブでした。

 

時間切れでここで離脱しましたが、どうしても気になったTシャツだけ購入。

 

 

 

 

ここに注意!すみジャズ攻略法

攻略法というほどのものではないのですが・・・。

 

会場は結構範囲が広く、4駅(錦糸町駅、押上駅、とうきょうスカイツリー駅、両国駅)に跨っており、各駅間をステージが埋め尽くすというわけでもないので、公式ぺージから地図をダウンロードして回った方が効率的に楽しめます。行き当たりばったりで回るのも楽しいのですが、会場の場所だけは把握しておいた方がいいでしょう。

また、会場間を無料のシャトルバス「ジャズバス」が走っています。バスの中でも生演奏を楽しめます。こちらをうまく利用するといいと思います。移動自体が楽しくなります。

フードエリアはメイン会場の錦糸町公園にありますが、それほど種類が多くはないので食事の時間を取った方がいいでしょう。お店は会場周辺にたくさんあります。

そして、今年のすみジャズは終わりましたがアフターイベントとしてJAZZ列車が走ります

東京から宇都宮まで、貸し切り列車の中で演奏が楽しめます。宇都宮では3時間の自由行動があり、餃子の食べ歩きなんかもできちゃいます。9/21開催、お席まだあるようです。(8/27現在)

詳細はこちら

錦糸町はあの作品の舞台でもあった

錦糸町は実は、キャバレーで矢代俊一が修行した「タヒチ」があった街です。自分と一番遠い街だからと俊一が選んだ街は、今やジャズに溢れた街になっていました。すみジャズに矢代俊一が出演とか、あるかもしれませんね。

 

すみジャズ以外にも各地のストリートジャズフェスティバルをご紹介しています。こちら

BLUE GIANT 7巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

JASS!初ギャラいただきました!

購入は画像をクリック

6巻の最後で、JASSのステージに飛び入りした日本を代表するジャズギタリストの一人、川喜田 元(かわきた もと)に客席もざわめくのですが、なんと大は川喜田を知りませんでした。川喜田の選んだ曲はジョン・コルトレーンのインプレッションズ。ギターではなくサックスの曲を選んだことで川喜田が本気で勝負に出たことを悟る雪祈は、大に「負けるな。」と告げます。

観客は川喜田のソロに盛り上がり、川喜田の正体を知らない大もその熱いプレイに引きつけられます。セッションが終わったあと、川喜田は雪祈にはまた勝負しに来ると言い、大には名前を聞きます。覚えておくから頑張れ、と告げるのでした。そして玉田にも「ありがとう。」と声をかけます。

大は雪祈との会話のなかで、川喜田とは思う存分できたと話します。そこで雪祈に

「玉田はどうだった?」

と聞かれ、初めて玉田のドラムを気にせず演ることができたことに気づくのでした。

川喜田がSNSでつぶやいた影響もあったのか、JASSの3度目のライブは小さなライブハウスをほぼ満席にしていました。終演後、観客に囲まれる大と雪祈を目の当たりにしながら、自らの手の豆を見つめる玉田。その玉田に声をかけたのは初回からライブを見に来ている紳士でした。

「僕は成長する君のドラムを聴きに来ているんだ。」

「君のドラムはどんどんよくなっている。」

とかけられた言葉に玉田は密かに涙するのです。それは明らかに先日、橋の上で流した涙とは違うものでした。

そしてこの日、JASSに初めてのギャラが入ったのです。一人一万円ずつ分けたギャラを三人はそれぞれ思い思いの使い方をするのでした。

玉田は教則DVDを購入します。以前は初心者向けの教本を買ったのですが、今度は上級者向けです。さらに通っている音楽教室の先生にビールを買います。

雪祈は花屋で5千円分の花束を二束買います。一束は実家の母に、もう一束はTake Twoのアキコさんに贈るためです。雪祈はアキコさんに、自分たち三人からだと言って花を渡します。

そして大は、女物の服やら靴やらを見て回っています。しかし、贈る相手のサイズすらわかっていません。さんざん迷った大が選んだのは、楽器屋で一番安いフルートでした。もらったギャラに自分で自由に使えるギリギリのお金を足して買ったフルートは、仙台の妹、彩花に届けられます。かつて雅兄は大に、店で一番高いサックスを贈りました。大は、雅兄にプレゼントをするのではなく自分より下の妹にフルートを贈るのでした。長兄から弟へ、次兄から妹へ、順繰りに贈られるのです。

大が彩花に贈ったフルートはこれかな?クリックで購入できます。



ゴールがない世界の幸せ

大はライブの時、一瞬だけ音と自分がつながったソロを吹くことが増えてきています。ただそれは一瞬だけで、つながっていたいのにすぐに離れてしまうことがほとんどです。大は、一流のプレイヤーは皆、音と自分がつながり無意識で吹いていることに気づいています。それが自分には一瞬しかおとずれないのです。スキルの問題か気持ちの問題かはわかりません。

雪祈も大が時々無意識の「自動演奏モード」に入ることに気づいています。それは雪祈にはまだ訪れたことのない瞬間です。

ここで、サックス、ピアノ、ベース、ドラムのカルテットが登場します。彼らのバンド名は「ザ・ファイブ」メンバーが一人抜けたばかりの、元はクインテッドだったようです。仕事はそれぞれ別に持っているものの、ギャラをもらえるライブをするセミプロで、メジャーデビューを目指しています。

以前は山ほどあった情熱は結成10年で少しずつ削られ、生活に追われるようになっていますが、サックスの森は自分たちには変化が必要だ、と思っています。

森は音源をレコード会社に持ちこみますが、年齢も30代半ばになるザ・ファイブは音源すら聴いてもらえず門前払いです。

その森のところに川喜田から電話が入ります。川喜田はJASSを聴きに行くように森に伝えます。損はさせないから、と川喜田は言いますが、森はJASSが10代の若者で構成されているバンドであることを知り、聴きに行くことに抵抗を示します。

それでもピアノの阿川に連れられJASSのライブに来た森は大を見て

「あいつ、知ってる。」

と言い出します。以前、ザ・ファイブが定禅寺ストリートジャズフェスティバルに出演したとき、客席でひときわ元気に乗りまくっていたのが大でした。その大に乗せられて森は長々とソロを吹きまくり、結局一曲削ることになったのでした。さらに、演奏を終えた森達がサックス一本の音に惹かれて駆け付けたところ、そこで吹いていたのは先ほどの高校生、大だったのです。森は久しぶりに聴いた大が腕を上げていることに気づきます。

JASSのライブが終わったところで、森達は川喜田の紹介だと言って大達に声をかけ呑みに誘います。そこで森は大に、

「お前はこれからどうなんの?」

と問いかけます。大は、

「JASSで武道館と東京ドームを満員にする、世界中をツアーで回る、グラミー賞も取る。」

「そのためには、毎日出し切らないと、オレの持ってる全部を出し切らないと。」

「だって、幸せじゃないすか。今までたくさんのプレーヤーがいたけど、、ゴールについた人間は誰もいないんすよ。」

「ゴールがない世界でずっとやり続けられるなんて、最高に幸せじゃないすか。」

先ほどまで雪祈に「才能がない。」とやり込められていたザ・ファイブでしたが、森はその言葉にうっすら涙を浮かべるのでした。

そして、ある日の小さなライブハウス、少ない客の前で演奏するザ・ファイブの姿がありました。

So Blueのステージに立ちたい!

雪祈の夢は10代のうちにSo Blueのステージに立つこと。そのための準備に余念がありません。JASSにも固定ファンがつき、一定の集客が望めるようになった頃、雪祈は川喜田の自宅を訪ねます。用件はズバリ

「どうしたらSo Blueのステージに立てるでしょうか。」

と直球です。それはいくらなんでも舐めた考えだ、という川喜田に対し、死ぬほど憧れているSo blue を舐めたことは一度もないと真剣な気持ちを伝え、結果川喜田からSo blueのスタッフに雪祈に連絡するよう伝えるという返事を引き出しました。

それから2週間ほど後、So blueの平と名乗る人物からメールが来ます。雪祈はSo blueでのライブを切望していること、一度自分たちのライブを聴いてほしいことを訴えます。最初にメールが来てからさらに2週間後、ついにSo blue平がJASSのライブを聴きに来ました。

雪祈は大と玉田には何も告げず、「今日もマックスで頼む。」とだけ言います。終演後、平から雪祈にライブハウスの近くのバーにいるとメールが入り、バーへと急ぐ雪祈はファンの男性からサインを頼まれるも断って、平の待つバーへと急ぎます。

平と初めて会った雪祈は挨拶もそこそこにJASSの印象を聞きます。それに対して平は、ドラムは初心者で技術不足だが、一生懸命で好感が持てる。サックスは独特で音に強さ、太さがあり面白い。彼の将来は気になる。さらに平は雪祈に対し、

「君、全然だめだ。」

「君のピアノは鼻につく、つまらない。」

「君、バカにしてないか?バカにしてないとしたら、なぜ本当のソロをやれてない?」

「全力で自分をさらけ出す、それがソロだろ。」

何一つ言い返せないでいる雪祈に向かって平はさらに、雪祈の態度を横柄で人をバカにしていると一刀両断にし、今回の話はなかったことにすると言い残しバーを出て行ったのでした。

雪祈は夜道を一人、平の言葉を反芻しながら歩きます。

「普通、言うか?」

「あそこまで、言ってくれるか?」

「あの人、いい人だな。やっぱスゲエな、この店」

雪祈は歩きながらいつも間にかSo Blueの前まで来ていたのでした。

頑張れ雪祈

と言いたくなる7巻でした。雪祈は小出しにされるエピソードからもわかるように、本当は素直で心優しい子ですが、若さの持つ未熟さとジャズの情熱の故の尖がった面もあり、それがしばしば廻りと軋轢を起こすこともあります。今回もザ・ファイブのメンバーと一発触発の雰囲気にもなりました。雪祈は傲慢な態度を取ることで自分の弱さを隠している面もあると言えます。ところが弱さを隠すことで、平に指摘された自分をさらけ出せないソロしかできないようになってしまったのでしょう。平の言う、「音楽をばかにしている。」というのは、雪祈の傲慢さ、不遜さの奥に隠れている弱さ、素直さ、優しさも音楽に漏れてしまっているのに、隠しきれていると思っているところでしょう。音楽はそんなに甘くはない、音楽に向き合って嘘をついていられるわけはない、だから思い切って自分をさらけ出しなさい、そういう意味ではないでしょうか。

一方大は、そのような屈折はありません。大の音が太く強いのは大の内面の現れで、その強さ故に真っすぐ純粋でいられるのです。あまりにも真っすぐで迷いがないため、今後主人公としては少し影が薄くなるかもしれません。けれども今後大は世界で活躍するミュージシャンになるのはボーナストラックを読んでも明らかです。世界で通用する大きさの器の持ち主だからこそ、純粋でいて大丈夫なのでしょう。

廻りがどれほど嘘をつこうと、ミュージシャンは、いや表現者は自分の表現において嘘は許されないのです。頑張れ雪祈!

7巻に登場の曲はこちら


インプレッションズ
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Take Twoでのリハ前に雪祈が一人で弾いていた曲

Tom Waits – Grapefruit Moon クリックでyoutubeへ

大が電車の中で出会ったおじさんは、500円玉貯金で買ったトランペットを大事に持っていました。その根性に惹かれ音を聴いてみたくなり、おじさんの個人練習についていきます。そこでおじさんが吹いた曲がこれ。

Blue Mitchel – I’ll close my eyes クリックでyoutubeへ

ちなみにおじさんが買った「相棒」はこちら

おじさんが500円玉貯金で買った相棒 購入は画像をクリック

1巻はこちら

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3巻はこちら

4巻はこちら

5巻はこちら

6巻はこちら

7巻はこちら

8巻はこちら

9巻はこちら

BLUE GIANT6巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

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First Note   大・・・強い音を出せ

その日、雪祈は曲を書いていました。大の強く太い音に負けないメロディを必死で探します。そんな雪祈の元に、一本の電話が入ります。ジャズギタリストの川喜田 元(かわきた もと)が、高校生の頃の雪祈のプレーを聴き、ピアニストとして使ってみたいという電話でした。雪祈は川喜田のライブに参加し、気に入られます。川喜田は自分のバンドのメンバーになりツアーを回るよう雪祈を誘いますが、雪祈は自分の求めるジャズの世界に行ける相手ではないと感じるのでした。そしてその相手は雪祈にとってはやはり大なのです。雪祈は一人闇の中で練習する大を誘い、その晩のギャラで大と玉田に焼き肉を奢ります。ギャラを全部使いきるのでした。

雪祈は曲を書き上げます。タイトルは「First Note」大は非常に気に入ります。玉田はまず自分のことに必死で曲を聴く余裕がありません。そして作曲者である雪祈は、まだまだ不満足です。

大は、ドラムに必死で他の音を聴いている余裕がないと言う玉田のドラムが、いつのまにジャズらしくなってきていることに気づき、さらに雪祈に

「弱い!」

「お前の強い音、どこへ行っちゃった?」

と指摘されます。

玉田の成長と雪祈の努力に背中を押されるように、大は走り込み、泳ぎ、強い音を取り戻すために行動するのでした。さらにジャズバーのセッションに参加し、ソロで長い長い、さらにどんどん強さを待つロングトーンで回りを圧倒し・・・怒られるのでした。しかし、これで大は、自分の強い長い音が武器であることを確信します。

18歳のジャズナイト

大はライブを企画し、一人でチラシを作って配り歩きます。雪祈は無名の自分たちを聴きにくる人などいない、それにまだ初心者の玉田には事が大き過ぎると反対しますが、たった一人でチラシを配る大を見て気持ちを変えます。

ライブ当日、客はお店の常連客が3人だけです。大はその客席を見ながら

「この日を一生、覚えておこう。」

と誓うのでした。そして、ライブがあることも知らず、ただ酒を飲みに来ていた3人の常連、そしてHPに告知もせず、チラシも貼らなかった店長を一気に引き込む演奏をします。そして雪祈は、大が本番のステージで凄みを増し大きくなることを確信するのです。

一方玉田は、自分が予想していたよりずっと、何もできなかったことに傷つき落ち込んでいます。店長や常連客はライブの前後でまったく態度を変えるのですが、それは主に大と雪祈に対してで、玉田の存在感は全くと言っていいほどありません。大はその玉田の姿に、仙台のバードの初ライブの時の自分を重ねます。

バイトを控えているため、初ライブの打ち上げは自販機の缶ジュース、その打ち上げの席で玉田は、

「オレのドラム、クソだ。」

「オレ、抜けないと。」

その玉田に雪祈は

「125回」

と言います。玉田のミスの数です。何も言い返せない玉田に雪祈は続けて

「正直言うわ。」

「思ってたより、悪くなかったわ。」

その夜、一人になった玉田は橋の上で号泣するのでした。バードのライブの後大も泣いていましたが、それを大きく超えて泣きじゃくります。

翌日の練習に遅れてきた玉田は、手が震えてリズムが刻めなくなってしまい、理由をつけて練習場所であるtake twoから抜け出します。それを見た雪祈は大をなじります。

大が、ようやく少し叩けるようになった初心者の玉田をステージに引っ張り出したのが原因で、玉田は叩けなくなったのだと。さらにライブ中にミスを連発しすっかり委縮した玉田を助けることもできず、置き去りにして一人で吹いていたのだと指摘するのです。

一方玉田は、take twoから抜け出した先の公園で、奇妙な音を出す楽器のようなものを吹く男子中学生と出会います。

「それ、楽器?」

玉田は問いかけます。

「トランペットのマウスピースです。」

少年は、中学一年で吹奏楽部に入部したばかり、はじめは音が出せないので楽器には触らせてもらえずマウスピースだけの練習を続けています。彼の中学のブラバンは厳しく、小学校からの経験者は夏から楽器を使えるのですが、彼は初心者のためトランペットを触るだけでも先輩に怒られるが、秋には楽器を使えるのを楽しみにしています。玉田は彼に、

「頑張って。」

と言い残してその場を去るのですが、途中でそれが何か違うように感じ、公園に引き返して彼にこう告げるのです。

「頑張って、じゃなかったわ。」

「先輩、ぶっ飛ばしちゃえ。オレならそうする。」

玉田はその後、昨日号泣した橋の手すりをスティックで叩きながら

「大も雪祈も、全員ぶっ飛ばしてやる。」

と誓い、再び練習に励むのでした。

JASS

以前雪祈に自分のバンドに加わるようオファーをし、結果断られたジャズギタリストの川喜田が、小さなジャズバーに姿を現します。そこでは今時のジャズバーらしくなく、若い観客が歓声をあげ演者をあおり、さらに追っかけらしき若い女性客も黄色い声を張り上げていました。演奏しているのは「JASS」という若者のバンドです。サックス、ピアノ、ドラムの三人編成でベースレスです。

川喜田が探しあてた雪祈がそこにいました。曲の最中でも気に入らないプレイに対して言い合いをし、観客はそれに対しても盛り上がります。ステージと客席が一体になって作り上げる、まさしく「ライブ」な空間でした。そしてそこには玉田もいました。まだ大と雪祈の「fight」には入っていけない玉田ですが、いつか必ず殴り込んでやるつもりでいます。

川喜田は勢いのある三人の演奏、そして雪祈の挑発に対して目の前で成長を見せる大を目にして、マスターにギターを借り

「ちょっと負けに行ってくる。」

とステージに飛び入りするのでした。

いや、かっこいいな川喜田さん。

センスも才能もある十代の若者トリオと言えばこちら、ソルティドッグ (僕のジョバンニ)もそうです。オリジナル中心で、JASSはベース、ソルティドッグはドラムがいないところも、フライヤーにセンスの欠片もないところも同じです。(大がPCで作ったフライヤーは三人の焼き肉を食べる写真、縁の手書きフライヤーに至っては、ヘタな犬の絵が添えられているという代物)

二作品の連載時期からすると年齢的に5歳くらいJASSの方が上なのですが、この二つのバンドが出会ったらどんな感じなのでしょう。

・・・なんとなく、雪祈と縁が喧嘩して終わりそうな気がする。



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