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さて、本日は聖夜に登場する曲のうち、ロックの紹介です。クラシックや現代音楽についてはまた今度。聖夜の主人公、一哉はキース・エマーソンに衝撃を受け、オルガンの入ったロックやジャズを片っ端から聴くようになります。ネットのない時代ですからラジオです。この頃は中学生くらいからラジオを聴き始め、深夜放送にはまるのが一般的でした。エア・チェック(FM放送から音楽をカセットテープに録音すること)が流行っていた頃です。
Tarkus/Emerson, Lake & Palmer (クリックでyoutubeへ)
一哉が自宅の教会の礼拝堂で練習している曲です。教会からEL&Pが流れていたらびっくりしますが、ちょっといいな、とも思ってしまいました。短めバージョンです。それでも10分近いです。
展覧会の絵/Emerson,Lake&Palmer(クリックでyoutubeへ)
一哉の日課は、祖母の部屋でオルガンを弾いて聴かせることです。この日、元ネタのムソルグスキーの展覧会の絵を弾いていたのですが、最後にちょっとだけEL&Pバージョンを弾きます。そしてある日、学校の礼拝の後奏で同じ曲を弾いて、それを聴いた深井に声を掛けられるのです。後奏とは、礼拝の参加者が礼拝堂を出る時に弾く曲です。これで退場するの大変そうですよね。フルバージョンです。40分あるのでお時間あるときにどうぞ。
Love Beach/Emerson, Lake & Palmer -(クリックでyoutubeへ)
深井に「あれ、聴いたか?」と聞かれるEL&Pのアルバムから、タイトル曲です。この後、深井は「今のプログレはもうだめだ。」と語ります。プログレの最盛期は70年代前半、80年代には音楽シーンがガラッと変わります。パンクが生まれ、AORが台頭します。深井はプログレの終焉を見据えながら、語る相手がいなかったのを一哉に一気にぶつけるように喋り続けるのでした。
Kid Charlemagne/Steely Dan – (クリックでyoutubeへ)
Sign in Stranger/Steely Dan- (クリックでyoutubeへ)
深井の部屋で聴かされた、スティーリー・ダンのアルバム「The Royal Scam」より深井お勧めの1曲目と一哉が気に入った4曲目。
次にかけたアルバムをフルバージョンで。ちなみに二人が気に入ったのは「The Royal Scam」の方です。
Romantic Warrior/Return To Forever – (クリックでyoutubeへ)
深井の家で聴いた最後のアルバムです。この後、二人は「アーバン」のライブを聴きに行きます。
先日のグルービーの曲と合わせ、80年初めの高校生が演奏していた曲のだいたいの傾向がつかめたでしょうか。バンドサウンドが主流になり音が厚くなってきましたが、まだギター一本で弾き語りも健在でした。それにしても深井くん、音楽的に早熟ですね。
そしてアーバンの笹本さんです。一哉の見立てでは20代半ばくらい。一哉たちより8歳位年上だとします。すると72年に高3です。アポロン世代が66年に高2ですから、笹本さんは薫たちの5歳下です。当時はフォークブームではありましたが、当時の高校生がEL&Pとか演ってたんでしょうか。
演ってたらしいです。プログレの他にブルース、ハードロック、スティーリー・ダンにリトル・フィート、クルセイダーズにスタッフなど、深井だけじゃなく音楽的に早熟な高校生がたくさんいました。音楽の世界が豊かだった時代です。密かにフォークソングを馬鹿にしてたという話も聞いたことがあります。余談ですが。
その笹本さんのセット、ハモンドとエレピを直角に置き、エレピの上にシンセを置いています。エレピはローズでしょうか。
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このセッティングは寿子もよく使っています。寿子は自分のシンセ一台以外は現場にあるものを使っているようです。シンセは見た感じDX7かと思ったのですが、DX7は83年5月発売、83年は寿子は高3です。3年生になってからシンセが出てきたならDX7の可能性もあるのですが、2年生で出てきてしまうので違いますね。
残念だな。なんとなく寿子にDX7持っていて欲しかった。
DX7 これが出てから歴史がまた一つ動いたといっても過言ではない、名器です。
機材の話、面白いので改めて別に記事 にしてみようかな。
こちらなら絶版の気分はグルービーも買えますよ。
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