気分はグルービーの舞台は81年~84年、物語の初めで大将が高校2年、後の4人は高校1年です。当時はTOTOやシカゴが日本でヒットを飛ばしAORのブームがきた頃ですが、ピテカンがカバーしている曲はもう少しだけ前の曲が多いです。これは作者の佐藤宏之さんが61年の生まれだからでしょう。
また、聖夜の舞台は80年、グルービーの一年前で一哉や深井が高校3年、天野と青木が高校2年です。だいたい同じ年代ですね。作者の佐藤多佳子さんは65年生まれ、ピテカンメンバーのうち憲二、稲村、奥ちゃんと一緒です。(寿子はダブりなので64年生まれ)
なので、グルービーと聖夜に出てくる曲をピックアップしていきます。80年代の高校生が好んでよくカバーしていた曲特集です。本日はグルービー編。
Black dog/Led Zeppelin クリックでyoutubeへ
ピテカンがS&Nのテープ審査用に録音した曲。作中ではツェッペリンのブラックナイトとありますが、ブラックナイトはディープパープルの曲。作中にキーボードがないというセリフがあるので(1巻131p)おそらくブラックドッグの誤植かと思われます。
どちらにしても70年代初めの曲ですね。いやぁ!ロバート・プラントってやっぱり歌上手い。
The answer/Frank Marino クリックでyoutubeへ
ピテカンが合宿で練習する曲。憲二の妹、かおりがアポなしでやってきた回です。(2巻128p)
you’re like a doll baby/Johnny,Louis&Char クリックでyoutubeへ
ピンククラウドに改名する前のアルバム曲です。どのシーンで出てきたのか見つけられなかったのですが、演っているのは確かです。
China Grove/The Doobie Brothers クリックでyoutubeへ
73年です。個人的に大好きな曲。合宿中の海の家でのライブ(4巻141p)手違いで合宿所が使えなくて困っている時、海の家の親父に拾われて昼間はスタッフとして働き、夜練習していました。
横浜ホンキートンク・ブルース/松田優作 クリックでyoutubeへ
イブのライブでの曲です。いろんな人がカバーしていますが、やはりここは松田優作で。
以下はピテカンラストライブの曲です。憲二が本間のおっちゃんと稲村と一緒にやることを決意してから、寿子との別れ、そして最後に稲村と二人、水戸を出るために街はずれのトンネルを抜けるラストシーンまでと、ラストライブのシーンが交互に描かれます。この一連の流れがあるため、気分はグルービーは連載終了後40年近く過ぎても今なお心に残る名作となっているのだと思います。
Smoke on the water/Deep Purple (クリックでyoutubeへ)
a part of your life/Kris Kristofferson&Rita Coolidge (クリックでyoutubeへ)
憲二と寿子がギター一本デュエットする曲。
寿子が歌いながら涙してしまうシーンです。このシーンに重ねるように二人の別れのシーンが描かれます。
Born to be wild/Steppenwolf (クリックでyoutubeへ)
映画「Easy Rider」の主題歌でしたね。
Purple Haze/The Jimi Hendrix Experience (クリックでyoutubeへ)
This Guitar /George Harrison (クリックでyoutubeへ)
ピテカンの選曲は、割と有名どころを中心にバラエティにとんだ選曲になってます。
好きな曲はこだわらずにやってみるところもアマチュアらしくていいです。でも、根底にあるのはストレートなロックです。コンテスト用にフュージョン風の難しいアレンジを持ってきた大将が
「ピテカンがロックンロールバンドなんて誰が決めた?」
と問い、憲二が言葉に詰まるシーンがありますが、やはりピテカンはロックンロールバンドですね。この時は大将もそれを認め、アレンジを元のロックンロールに戻すのでした。
ところで作中、TOTOの曲を演奏するシーンは見当たらないのですが、TODOというバンドのライブを見に行くシーンがあります。
舞台である水戸市にTOTOが来たという話は聞いたことがないのですが、エリック・クラプトンやBBキング、マリーナ・ショーなどは来ています。今はなかなか地方都市にまで来ないですね。少し寂しいです。
聖夜は次回に。