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G線上のあなたと私3巻 あらすじとネタバレ 

行動では離れて行ってもで心はお互いを見てる

発表会が終わって、也映子は婚活に精を出し、幸恵さんは多実ちゃんのナイスなフォローでお義母さんの態度がぐっと軟化、そして理人は結愛となんとなくいい感じになっています。

3人のミニコンサートを控え、理人にとっての最後のレッスンを終えた3人ですが、お疲れ会でもやろうという也映子の提案に、理人は

「ごめん、いーや」

と、あっけなく帰ってしまいます。そのあっけなさに也映子は、発表会の後の二人での打ち上げの也映子のマジ泣きも

「覚えてないんだろうな」

と思います。

3コン(3人のミニコンサート)のリハをしながら、也映子は体験レッスンで初めて2人と会った時のことを思いだしながら弾き、あげく曲が頭から飛び、演奏を止めてしまいます。気分を変えるためにドリンクバーに飲み物を取りに行き、そこで理人に

「マジ泣き、覚えてたよ」

と言われ驚くのでした。

「それで、あのあっけなさかよ」

と心の中で突っ込みます。

理人という青年は、とことん掴みどころがないのです。あっけないかと思えば、眞於先生には執着ともいえる情熱を抱いていたり、どんな反応をしてくるか予測がつきません。地面にバウンドさせると、どの方向に弾んでいくかわからないラグビーボールのようなものです。キャッチするのには相当の反射神経が必要です。その意味では也映子はいい線いっているかもしれませんね。予想がつかないカードを出してくる理人に対して、しっかり反応をして返しています。

婚活、カップル成立?

也映子は茫然として目の前の相手を見ていました。

コンタクトから眼鏡に戻して気を抜きまくって参加した婚活パーティーで、カップル成立してしまったのです。正直、どんな会話を交わしたかもあまり覚えていなかったので、びっくりしたのです。

相手の白鳥さんから、也映子が眼鏡をかけているのを気に入ったと言われ、なんとなく違和感を覚えた也映子ですが、なんとか白鳥さんのいいところを見つけ、前向きに交際に向けて舵を取ります。

ところがリハをドタキャンして行ったデートで、その違和感が無視できないほど大きくなっていきます。その様子を目撃した理人は、その後一人居酒屋で酔っ払う也映子を送りながら

「そいつ、振っていいと思う」

と告げるのでした。

也映子は白鳥さんに断りのメールを入れ、婚活を凍結し3コンの練習に励みます。

酔って理人と夜道を歩きながら、也映子はバイオリンを弾きたくてたまらなくなります。音楽が恋しい夜です。前日にも床についてからエアバイオリンを弾き、初めて音を出した時のことを思いだしていました。そのトキメキを忘れられなくなっていたのです。バイオリンが也映子の生活の中で大きな割合を占めるものになっていったのでした。

楽器を演奏する人は共感できるのではないでしょうか。最初に奏でたトキメキはまるでカーナビのように、ここから先へ、上へと連れて行ってくれるのです。そして気が付いたら楽器が手放せなくなっています。

一方理人は結愛がバイオリンには興味がなく、理人がやっているから応援しているだけと言っているのを聞いてしまいます。

そしていよいよ3人は3コン当日を迎えるのでした。

ありがとうは雨上がりの翌日のようにすべてを洗い流して

ガチガチに緊張していた也映子でしたが、演奏をはじめるとリラックスして音楽に浸れていたようです。台詞なしの絵だけの描写ですが、3人の表情でそれがわかります。息の合った、いい演奏だったのでしょう。3人はそれぞれ今日までのことを思いだしながら弾いています。

そして最後の曲の前に幸恵さんの挨拶がありました。ドラマ版で幸恵さんのエアバイオリンに感動した人続出でしたが、この挨拶も本当に泣けます。大人だからこそ、諦めたり我慢したりも多いからこその思いが溢れています。途中から也映子はウルウル、幸恵さんもついに想いがこみ上げてしまい二人でポロポロ涙をこぼすのでした。幸恵さんの挨拶は也映子と理人、多実ちゃんとお義母さんに向けた

「ありがとう」

の言葉で締めくくられます。

「ありがとう」

また、その言葉は眞於先生から3人へ贈られ、

「ありがとうございます、お幸せに」

理人から、新しい彼氏ができた眞於先生に贈られるのです。そして、也映子から

「ありがとう、私のバイオリン」


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G線上のあなたと私2巻 あらすじとネタバレ

それぞれの想いを重ねて

年末に忙しすぎたあまり、まったくブログも更新できずにいるうちにドラマも好評のうちに終了していました。そんなわけで旬を過ぎてしまった感は否めませんが、2巻のあらすじとネタバレをどうぞ。

「発表会が終わったら眞於先生に告白する」と宣言した理人に也映子は本気を感じ取り、いつものように茶化すことができないでいました。一方理人は、何かと也映子に眞於先生のことで相談を持ち掛けるようになります。

也映子は発表会を控え、何度も夢を見ます。発表会で失敗する夢、ケースを開けたら楽器がない夢etc.

三人での演奏はこれが最後になるかもしれないからこそ、悔いが残らないよう演奏にしたいという気持ちが也映子を緊張させているようです。そして迎えた本番当日、也映子の携帯に幸恵さんから連絡が入ります。

お義母さんの体調が悪く病院で診てもらったところ脳梗塞を起こしており、発表会には出られなくなったため。也映子と理人は二人でステージに立つことになりました。出番直前、理人は眞於先生に

「終わったら会える?」

と聞きますが、今はG線のことだけ考えるよう言われただけでした。

その頃病院の給湯室で一人洗い物をしていた幸恵さんは、バイオリンを構える姿勢を取り何も持っていない腕でバイオリンを弾き始めます。

ステージで弾く二人の間に、何も持たず空気を抱え込むようにバイオリンを弾く幸恵さんの姿が重なります。一番の名シーンです。

三人それぞれの思いが重なった演奏は眞於先生をして

「今までで一番よかった。」

と言わせしめたのでした。その眞於先生に理人は也映子もいる前で告白をし、速攻でふられるのでした。

「時間の無駄。」

だと。

涙と笑いと、いきなりの壁ドン

也映子と理人は打ち上げに出かけます。そこで酔っ払った理人は眞於先生にふられたことに触れ、

「也映子さんの言った通りになったね。」

と言うのでした。也映子の言う通り思い切りふられて、すっきりしたと。

そして続けて、

「也映子さん、けっこうきつかったでしょ。」

結婚するはずだった相手に突然ふられた也映子の当時の気持ちを、自分の経験を通して理解した理人の言葉に也映子は思わず感極まって涙します。希望をまったく与えないできっぱりふった眞於先生の言い方のきつさに

「あれはない。」

「だけど、あれ以上の断り方もない。」

涙が止まらなくなった也映子は泣きながら理人にバイオリンを続けよう、三人でこれからも続けようと説得します。

店を出たところで理人はバイオリンを取りに戻ります。待っている間也映子は幸恵さんに電話をし、発表会をリベンジしようと提案します。戻ってきた理人に替わるため携帯を渡す也映子に理人は

「ナンパされていなくなったかと思った。」

「今日、可愛いから。」

その言葉に也映子は勿論、電話の向こうの幸恵さんも固まります。

一方眞於先生は発表会が終わったあと、見に来ていた理人の兄と顔を合わせていました。

ミニコンサートと婚活と眼鏡

也映子は、ある日幸恵さんに

「カラオケのパーティールームでミニコンサートをやろう。」

と提案します。ピアノもあるので多実ちゃんに伴奏してもらいたい、観客は誰を呼ぼう、と盛り上がる也映子に幸恵さんはニヤニヤ笑いを隠せず

「理人とはあれからどうなった?」

と聞きます。しかし也映子は発表会後の最初のレッスンの後、理人に打ち上げの夜のこと何にも覚えていないと言われてしまったのでした。

理人は

一方理人は、眞於先生に付き合いたいと思っている相手がいるらしいことを知り、きっぱり諦めたはずが複雑な気持ちになり也映子を巻き込んでレッスンをさぼるのです。今、眞於先生の顔を見たら、相手が誰か、どんな奴か、聞いてしまって結果ますます嫌われるのだと落ち込む理人に也映子は

「あたし、婚活する。」

と唐突に告げ、さらに

「先生に聞いちゃいなよ。」

とけしかけます。それに対して理人は

「也映子さん聞いて。」

と頼み、二人は教室に戻ります。さすがに聞けるわけもなくレッスンを終えた帰り道、二人は一瞬手をつなぐのでした。

手はつないだものの一瞬で離れ、

「頑張れよ、婚活!」

「おうっ!」

と色気も何もないやりとりで理人と別れた也映子は、ある日婚活パーティーに出席していました。

結婚したい、と思ったのは本当だったのですが、婚活向けの服装で参加したにもかかわらず、相変わらずの眼鏡姿で気合が入らないまま、なんの収穫もなく婚活パーティーは終わってしまいました。

也映子は以前はコンタクトを使っていました。一方的に婚約破棄をされたあの日から学生時代に使っていた眼鏡をしたままの也映子は、まだどこか恋愛に前向きになれないでいました。そんな気持ちを眼鏡と一緒に婚活の場に持ってきてしまったのでした。

気持ちを3人でのミニコンサートに向けなおした也映子は理人とカラオケボックスで選曲をするのですが、そこに理人のバイト仲間で彼のことが好きな清水 結愛(しみず ゆあ)がやってきます。結愛から二人の選曲会議に遊びにいってもいいか聞かれた理人がOKを出したのです。

理人は結愛からの度重なるアタックにもはっきりと冷たい態度をとっていました。その理人が結愛を拒否せずに二人でいる場所に受け入れたことを也映子は、眞於先生にこっぴどく振られた理人が迷惑でしかなかった結愛の気持ちを受け入れるようになったのだと解釈し、仲よさそうな二人の様子にいたたまれなくなります。

その時偶然きたメールに

「大変、のっぴきならない用事が。」

とカラオケボックスを飛び出します。なんとなくモヤモヤするその理由を、果たして也映子は自覚しているのでしょうか。

 

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G線上のあなたと私 1巻あらすじとネタバレ 

大人からはじめるからことわかる、音楽の楽しさ

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今までご紹介してきた作品は、登場人物がほとんど楽器熟練者でした。世界を目指す天才や音楽学校の生徒、アマチュアでもライブハウスのレギュラーだったり、セッションに飛び入りできたり、少なくとも初心者ではないのです。ブルージャイアントの玉田が初心者ではありますが、大や雪祈と一緒に演っている時点で普通の初心者とはだいぶ違いますね。

今回は本当の”ド”初心者のお話を紹介します。
現在ドラマも放映中の 「G線上のあなたと私」はバイオリン教室のグループレッスンで出会った3人の物語です。これといって共通点のない、偶然同じ初心者クラスでレッスンを受けるようになった3人が次第に心を通わせていく話です。
小暮也映子(こぐれ やえこ)は25歳、結婚が決まり寿退社をしたその日に婚約者から
「好きな娘ができた。」
と婚約破棄されて現在無職です。その最悪の日にCD売り場のBGMの「G線上のアリア」を聴いて、この曲を弾いてみたいとバイオリン教室に入会したのです。
北河幸恵(きたがわ ゆきえ)は40歳、夫と娘、姑と暮らすパート勤めの主婦です。娘がピアノを習っていて、一緒に合わせることができたらとバイオリンをはじめました。一見明るい北河さんも嫌味でうるさい姑に悩まされていました。
加瀬理人(かせ りひと)は19歳、大学生、理人の兄が講師の久住真於(くずみ まお)先生と知り合いだった関係でバイオリンをはじめたと語りますが、そこにはもっと複雑な事情がありました。
毎週一回は顔を合わせる3人でしたが当たらず触らずの表面的な会話に終始していました。ところが、発表会に出ることになった3人はレッスン後、理人の提案でカラオケボックスで練習をすることになり、そこから互いのことを知るようになり距離が縮まっていったのです。
ある日のカラオケボックスで理人の兄と真於先生が元婚約者同士であること、兄は別の女性と結婚しもうすぐ子供が生まれることを知った也映子は自分と真於先生を重ね合わせ、酔いも手伝って
「あなたのお兄さんはひどい人です!」
と大泣きし自分の境遇を打ち明けるのでした。
またある日は、幸恵さんが大トラとなり姑や夫への不満をぶちまけます。幸恵さんの提案でアドレスを交換した3人のカラオケ練習は発表会が終わっても続き、也映子と幸恵さんは飲み仲間にもなります。
ある日のレッスンで、理人は突然
「個人レッスンに変更したい。」
と申し出、也映子と幸恵さんを慌てさせます。練習熱心で上達が早い理人の足を引っ張ってしまったとファミレスで幸恵さんと二人反省会をした也映子は、理人の自宅を訪ねます。
「3人でのレッスンを続けていきたい。」
と伝えるも、何となく説得になるようなならないような、関係あるようなないような言葉を並べる也映子でしたが、
「じゃ、3人で頑張りましょう。」
と何となくまとめ、理人と握手をして帰ります。
バイオリンを背負ったその後ろ姿を見送る理人は、仕事から帰宅した兄に会います。理人の兄は也映子の背負っているのがバイオリンであることから、理人が真於先生に会っているのではないかと問います。

二回目の発表会・・・G線上のアリア

早くも二回目の発表会の季節を迎えました。前回あまり乗り気ではなかった3人は、今度は

「出ます」

と即答です。他人と音楽を創っていく楽しさに目覚めたようです。3人の距離が縮まったことも作用したようです。也映子たち3人の発表曲は「G線上のアリア」也映子がバイオリンをはじめるきっかけとなった曲です。

3人は幸恵さんの娘、多実ちゃんのピアノ伴奏で練習をすることになりました。多実ちゃんはおばあちゃんにもお父さんにも可愛がられる5年生、明るくてしっかりちゃっかりしている彼女は、幸恵さんの一番の理解者であります。幸恵さんは多実ちゃんに何でも話し、その結果多実ちゃんは也映子や理人の大人の事情も知ってしまっています。多実ちゃんのピアノで合わせてみて、アンサンブルの楽しさに気づいた也映子でしたがもう一つ気づいたことがありました。

婚約破棄直後に聴いたこの曲を弾いても、弾きたいと思った気持ちはよみがえってくるけれど、その時感じた痛みはそれほどではなかったのです。

「もう一回弾いてくれる?」

と也映子が多実ちゃんに頼んだとき、明日旅行から帰るはずの幸恵さんのお義母さんが突然帰宅します。続けられる雰囲気ではなくなってしまい、練習は終わりになりました。

「あれ、絶対わざとだ。」

幸恵さんは楽しみにしていた4人での練習をぶち壊しにされて思わず涙してしまいます。

「もっと楽しかったはずなのに。」

それに対して理人は

「楽しかったよ、俺。」

と返すのでした。だから泣かないで楽しく終わろうと語り、幸恵さんも笑顔で

「楽しかった。」

と返します。そんな二人を見て也映子はなぜか、今まで経験したことのない感情を覚えるのでした。

開いた心、近づく距離

也映子は理人の心が最近開いてきていることに気づいています。幸恵さんに真於先生に出したメールの返事がこないことや、幸恵さんに「楽しかった。」と言ったことなど、仲間になってきているのを感じています。その一方で、仲間でしかないことも悟っています。

ある日、也映子と幸恵さんは理人のバイトする居酒屋に呑みにいきます。そこで也映子は思わず幸恵さんに

「あの時、たぶん嫉妬した。」

と打ち明けるのでした。自分と幸恵さんに対する理人の態度が違うことに対して、幸恵さんは

「私は対象外。あなたの方が自分にずっと近いからよ。」

「でも、嫉妬されちゃうなんてちょっと刺激的。」

と笑います。二人はお互いを初めて下の名で呼びあい、友情が一段深まったようです。

ある日、也映子は理人に

「前の彼氏をどうやって忘れられた?」

と聞かれます。それに対して也映子は、本気でつきあって本気で振られたのだから、忘れるしかなかったのだと答え、

「思い切って振られてみればいいんだよ。」

と理人を焚きつけます。理人は也映子のいう通りにする、発表会が終わったら真於先生に告って、振られたら教室も辞める、と結論を出します。

大人になってからの音楽

大人になってから楽器を習いだす人も増えているようです。子供の頃に習ってみたかったけど習わせてもらえなかった、ちょっとだけ習っていたけど受験でやめた、などの理由から「大人のレッスン」の門を叩く方も多いと思います。
大人になってからはじめてもプロになるわけでもないのに無駄な時間、とか、ピアノは3歳から、と言われているのに弾けるようになるわけない、など思ったり言われたりせっかく大人になって親の意向ではなく自分の意志だけで物事を決められるようになってもなお、思い悩んでしまうものでよね。
幸恵さんがバイオリンについても姑から嫌味を言われながら続けているように、大人ならではの事情もあります。
それでも、音楽がある生活をお勧めします。はっきり言ってしまえば大人が生きていくのはそれなりに辛いことも多いです。でもそこに音楽があるだけで同じような生活がどことなく違って感じられます。音楽を聴くだけでもいいのですが、思い切って奏でることをしてみてはいかがでしょう。
也映子と幸恵さんのように、歳の離れた友人ができるのも大人の趣味の特徴です。自分と全然違う世界の人とも知り合うことができます。仲間ができるのはとても楽しいことです。
音楽を奏でるようになると、日常で耳にする音楽も少し違った聴き方ができるようになります。新しい世界が広がるのです。
音楽でなくてもなんでも好きなことをやってみていいのです。ただこのブログは音楽ブログですから、音楽をお勧めしてしまうのですが(笑)。

まずやってみよう、お勧めの音楽教室

楽器がもらえるヴァイオリン教室
こちらの教室【EYS音楽教室】では、楽器がプレゼントされます。楽器は結構高いので、それだけでもはじめるためのハードルはだいぶ低くなりますが、こちらの教室は仲間を作ったり、バンドやセッションなどの活動に無理なくつなげることができるコースがあるのです。楽器初心者にとって、バンドやセッション、ライブなど憧れる反面、

「楽器をはじめるの遅かったから無理だ。」

「才能なんてないから無理だ。」

と思ってしまう、心理的に高い壁があるものなのです。そんな大人の初心者を徹底的にサポートして同じような仲間と一緒にバンド活動を始めることができるようにサポートしてくれます。

也映子たち3人は、偶然同じレッスン日にレッスンを受けていた3人が仲良くなって一緒に練習したり発表会に出たりするようになりました。しかし、ギターやキーボードなどは比較的仲間を見つけやすいのですが仲間探しという点でバイオリンはちょっと難しくなります。EYS音楽教室ではストリングスのグループやオーケストラなどにも挑戦できるので 仲間探しも容易になります。

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EYS音楽教室は全国展開していますが、それでも教室が近くにないという方、また時間が合わなかったりまずは一人でやってみたいという方は、独習用のDVDと楽器のセットはいかがでしょうか。DVDなのでわからない所は何度でも繰り返し見ることができます。もっとやってみたいと思ったら教室に通ってもいいですし、教室のレッスンの補助用にも使えます。

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BLUE GIANT9巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

初めてのジャズフェス、3人で圧倒

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JASSが初めて出演するジャズフェス「カツシカジャズ」の打ち合わせからTake Twoに戻ってきた雪祈は非常に怒っています。アクトの天沼に若さだけのバンドと決めつけられた腹立ちです。雪祈は大と玉田に、アクトに勝つ!と宣言したことを話します。ビビる玉田に喜ぶ大、3人は当日に向けて走り出すのでした。ちなみに大は本当に走っています。それぞれ個人練習に打ち込む雪祈と玉田のカットの後、サックスを持たずに走り込みをする大のシーンが描かれます。以前雪祈に「強い音を出せ」と言われたときも大は走り、泳いでいました。

カツシカジャズ当日、JASSのリハを耳にした天沼の評価は徐々に「これは、ありじゃないか?」に変わっていきました。

「ピアノ、上手いな。」

「サックスは野太い音だね。」

「ドラムは、まあまあか。」

ドラム、まあまあなんですよ。So Blueの平には初心者と見抜かれてた玉田が、それから幾らもたたないうちに大や雪祈を支えるドラマーkとして「まあまあ」の評価を得るのですから、これってすごいです。

ただし、本番前までの天沼の評価は「なかなかいいバンド」まで好転したものの、やはり若い後輩バンドとして下に見る気持ちは消えないようでした。自分達が盛り上げるから失敗など気にせず演っていいと言う天沼に雪祈が再びムカつきだしたのを見た大は、天沼に元気に自己紹介と挨拶をし

「いつも通り全力全開で盛り上げます。ですので、天沼さん達も頑張ってください。」

と、挑発するのでした。

JASSのステージは大のソロではじまります。初っ端から全開で飛ばす大の音量のリハとのあまりの違いにPAさん焦りますが、音圧は下げない方向で必死にベストポジションを探ります。ステージ袖で見守る天沼の表情が変わり始めます。3分ほど続いた大のソロに雪祈と玉田が飛び込みます。そして雪祈のソロ、壁を完全に乗り越え考えないプレイをしている雪祈とノッている観客を認めた大は玉田に囁きます。

「ソロやっぺ!!」

玉田の初ソロは、バスドラのみの連打からはじまりました。熱いソロを叩き出す玉田とそれを見守る天沼の表情、観客のノリ、JASSは3人で場を圧倒したのです。曲終わりに大がメンバー紹介をします。玉田を紹介した時に、その玉田のスティックを握った手をつかみ高々と掲げたのは雪祈でした。

ステージ袖に戻ってきたJASSの3人に天沼は惜しみない拍手を送り、握手を求めステージへと出ていきます。そこで天沼は熱いプレイを繰り広げそれはアクトの他のメンバーにも伝染し、大人のプロとしての演奏で観客を沸かせるのでした。

この玉田のソロからアクトの演奏までが一話に納められていますが、一話を通して文字が一切なく絵だけで表現されています。一番音が鳴っている場面で直接的な音の表現がまったくないのです。台詞ももちろんありません。この一話、最高にかっこいいです。

次の一話で描かれる大の仙台の家族の話もとてもいいです。残された家族がそれぞれ自分の持ち場で大の話をする、それだけなのですがストーリー全体に厚みを与えています。ちなみに彩花は、由井先生にフルートを習っています。大に贈られたフルートです。

ある日、仙台から三輪舞が大を訪ねてきました。突然のことにびっくりする大に舞は

「お台場に連れて行って。」

と言います。

二人は久しぶりにデートをします。東京へ来てから一年、ジャウとバイト三昧だった大にとって初めてのお台場で案内などはとてもできませんが、お互いの近況を話しながら観光してまわります。大は、東京で色々なことがあったこと、それでも舞のことは忘れたことがないと話します。

二人は観覧車に乗ります。そこで大は舞から

「好きな人ができました。」

と告げられます。すぐには言葉を返せない大でしたが、続く舞の言葉に一年もほとんど連絡をとらず放っておいた自分を省みるのでした。

別れ際、舞は

「私、疑ったことないんだ。1ミリも。」

「宮本大が、世界一のサックスプレーヤーになるの。」

いつか、世界一の大のサックスを聴きに行くと言い残して舞は仙台に帰ります。

So Blueのステージに立つ!

舞との別れは大にとって想像以上のショックを与えました。大はそれを悟られまいと普段通りに振舞っていたのですが、大の出す音に現れていたため雪祈にも玉田にも気づかれていました。それを知った大は、気持ちがすべて伝わってしまうジャズはやはりすごい、と感じ改めて目標として

「So Blueのステージに立つ。」

と宣言します。舞との最後のデートで舞が言った

「宮本大は、昔話が似合わないね。」

の一言の通り、止まらずに突き進みジャズしか見えていない男なのです。

・・・別れて正解だわ、舞ちゃん。

JASSに可能性は残されている。

その日、雪祈はいつものように工事現場でバイト中でした。休憩中携帯が突然鳴りだし、表示された相手の名前を見て雪祈は驚愕するのでした。

「平さん So Blue」

平は緊急事態を迎えていました。So Blueでライブを二日後に控えたカルテットのピアニストが急病で倒れ来日できなくなったと連絡を受けたところだったのです。ついてはトラのピアニストを探してほしいとの要請でした。

電話を取った雪祈に平は事情を話し、出演してみないかと言うのです。ただし、JASSではなく雪祈だけだと。

雪祈はメンバーと話し3時間以内で返事をすると約束し、大の居候する玉田の家に駆け付けます。

玉田の家では大と玉田が牛乳の賞味期限のことで平和に喧嘩中でした。そこで雪祈はSo Blueから雪祈一人に出演オファーがあったことを告げます。抜け駆けだと思われてもしかたない、と話しはじめる雪祈をよそに大は玉田と二人分のチケットを入手します。

深夜のコンビニで譜面を手に入れ、徹夜で練習をして翌日昼からのリハに参加した雪祈はカルテットのメンバーにも無事

「いいと思うよ。」

と本番の参加を認められました。そして雪祈は平に頭を下げあの夜のことを謝ります。そして精一杯やるので今回自分の演奏がよかったら

「JASSに可能性は残されていると言ってください。」

と心から言うのでした。

そして、ステージははじまります。

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音楽漫画 僕のジョバンニ5巻 あらすじとネタバレ

今の彼を、俺にはどうしても放っておけない

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ある日、縁は高校の前で不審な男に出会います。彼は縁に郁未の所在を縁に尋ね、さらに縁を自らのファンだと勘違いして無理やりサインをして去っていくのでした。その不審者は皆川優、4巻で名前だけ出てきたもう一人の天才少年です。

無理やり鞄にサインをされた縁は怒り心頭で、練習場所で鉄雄相手に怒りをぶちまけます。

鉄雄は縁の怒りにはお構いなしでカルミナ・コンに向けて予選の課題曲も決まり、気合が入っているところを見せます。さらに皆川優が以前、鉄雄が金、銀該当なして銅賞をとったコンクールの有力候補だったことを思い出し、雪辱戦だとばかりますますやる気が漲るのでした。

そんな鉄雄に百合子は、ある事実を告げます。

「カルミナコンの予選の曲、郁未とかぶってる。」

「同じ曲を、橘郁未も弾く。」

偶然だな、とかわす鉄雄、百合子は続けてその場にいた哲郎に、

「郁未の元に出入りしているのは本当か?」

と聞きます。鉄雄は百合子が、哲郎が郁未に情報を流していることを疑っていると感じ、すべて偶然だ、と言い募りますが、百合子は、鉄雄と郁未の間にこの手の偶然が多いことを指摘します。公園で偶然会ったこと、鉄雄の出た東コンに郁未も出たこと。百合子は哲郎に

「お前が弁解するなら、お前の言葉を信じる。」

と言います。哲郎はそれに対し、

「郁未と会っていたのは本当だ。」

と告げます。しかし、

「郁未に鉄雄の情報を流したりはしていない。絶対に。」

とも言いました。しかし哲郎はもう一つ、鉄雄に告げることがありました。

「俺、郁未のメンタルトレーナーになろうと思う。」

「今の郁未を、俺はどうしても放っておけない。」

もう一人の天才・・・チェロとなら、どこへでも行け

鉄雄は自分がいると哲郎がやりづらいと思い、居候していた哲郎の家を出ます。自分の中の醜い感情を出してしまうことも、ため込んでおかしな方向に行ってしまうことも、両方を恐れる鉄雄。そんな鉄雄に縁はこっそり囁きます。

「誰にも言わないから、言ってみ。」

「あいつ、俺の大事なもの全部、持ってっちゃうのな・・・っていう。」

さらに続けて、醜い感情なくして音楽やるつもりだったのかよ、音楽は全部の感情を許容してくれる。

「だから私は音楽が好きだよ。」

そんな縁に鉄雄は

「俺と一緒に走って。最後まで。」

と頼み、縁は

「任せろ!」

と請け負います。それを影から見ていた百合子は密かに安堵するのでした。

百合子は鉄雄に、カルミナコンまで厳しく指導していくことを告げ、それを受け鉄雄は百合子に向かって

「宜しくお願いします。」

と頭を下げるのです。そんな鉄雄を目にした百合子の表情は我とは知らず和み、やはり蘇我百合子はこの唯一の弟子に師匠として並々ならぬ愛情を注いでいることが見て取れるのでした。

そしてカルミナコン当日、二人の天才と称される郁未と皆川優の邂逅に、参加者がざわめくのでした。橘郁未以外には眼中にないという態度を周囲に見せつける皆川に対し郁未は

「誰だ?」

と問いかけてしまい、皆川の態度にムカつきを抑えられない縁は密かに(でもないか)留飲を下げるのでした。郁未の心にあるのはあくまで鉄雄一人だったのです。しかしそれと同時に縁は、「皆川のようなタイプは強い」と見切っており、それを鉄雄に告げます。

トップバッターの皆川の演奏がはじまり、それとともに皆川の独白が流れます。無理やり習わされたピアノのレッスンから逃げ出した幼い皆川の目に映ったチェロ。その瞬間、彼はこの楽器を愛せる、この楽器となら自由になれる、なぜならチェロを愛しているから。

しかし、皆川は思ったほど自由になれなかったのです。皆川の目は郁未に向けられるようになりました。郁未となら自由になれる、そう思ったのです。

一方哲郎は、郁未のマネージャーの鷺とカルミナコンに出かけます。そこで鷺の持つ「郁未に頼まれた荷物」を目にしてしまいます。それは「東村山興信所」と名の入った封筒でした。

俺にとっての天才は、手塚鉄雄なんです。

出番待ちの縁は、皆川と再び出会います。そこで縁は皆川から

「思い出した。成田縁でしょ。僕と同じく神童と言われてた。」

と言われます。今はコンクール嫌いの縁も昔はコンクールで金賞を取りまくっていたのでした。カルミナコンには出場ではなく伴奏であると言う縁に皆川は、コンクールから逃げたと決めつけます。その皆川に縁は

「私は自分の大切なものを大切にしているだけ。」

と告げ、その場を去ります。落ち込んだ縁は鉄雄の元に行き

「死ぬのなら、どんな日がいい?」

と問いかけるのでした。続けて鉄雄は、

「もう死ぬって、どうしようもなくって、ここでおしまいってわかってたら、最後くらい笑いながらこんな晴れた日に、踊りながら死ぬのも悪くない。」

鉄雄の出番中、伴奏しながら縁は、鉄雄のそういう強さは嫌いじゃない、と思い返すのでした。そしてそれを客席で聴く郁未の表情がすべてを物語っているようだったのです。

郁未のマネージャーの鷺は、鉄雄の演奏を以前と全然印象が違う、チェリストはいろいろな表現ができてすごいと肯定的に評価しますが、哲郎はそれは鉄雄がまだ迷いのなかにいるからだと評します。身内だから厳しいという鷺に哲郎は、鉄雄を信じているからだと、自分にとっての天才は蘇我百合子でも橘百合子でもなく、手塚鉄雄だと言うのでした。

お兄ちゃんはつらいよ!

哲郎は百合子に、「お前は抱え込みすぎだ。」と言われますが、それに対して哲郎は「お兄ちゃんだからね。」と答えます。お兄ちゃんと言えばブルージャイアントの雅兄が思い浮かびます。初任給で弟の大に店で一番いいサックス買ってあげるお兄ちゃん、たった13歳で母親を亡くしてから弟妹の面倒を見てきたザ・兄貴です。哲郎は雅兄とは違って、自分もチェロをやっていて今も音楽家のサポートを生業としているだけあってその目は厳しいです。ただ、厳しい分確かな目で鉄雄の将来を信じているようです。さらに、郁未のメンタルトレーナーとなることである意味鉄雄の敵側についてしまった哲郎は、郁未に対してもお兄ちゃんなのですね。もっとも郁未はそれをまったく認めていませんが。

気分はグルービーの憲二と大将もお兄ちゃんですが、妹のかおりと麻美は兄貴を完全に舐めてるからな。

タランテラ

鉄雄と郁未がカルミナコンで弾く曲、ダーウ”ット・ポッパーの「タランテラ」

タランテラ自体はイタリアの舞曲で、ダーウ”ット・ポッパーのタランテラは鉄雄が縁と演るならこの曲、と選曲したものです。

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月刊flowers(フラワーズ) 2020年 03 月号 [雑誌]

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BLUE GIANT6巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

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First Note   大・・・強い音を出せ

その日、雪祈は曲を書いていました。大の強く太い音に負けないメロディを必死で探します。そんな雪祈の元に、一本の電話が入ります。ジャズギタリストの川喜田 元(かわきた もと)が、高校生の頃の雪祈のプレーを聴き、ピアニストとして使ってみたいという電話でした。雪祈は川喜田のライブに参加し、気に入られます。川喜田は自分のバンドのメンバーになりツアーを回るよう雪祈を誘いますが、雪祈は自分の求めるジャズの世界に行ける相手ではないと感じるのでした。そしてその相手は雪祈にとってはやはり大なのです。雪祈は一人闇の中で練習する大を誘い、その晩のギャラで大と玉田に焼き肉を奢ります。ギャラを全部使いきるのでした。

雪祈は曲を書き上げます。タイトルは「First Note」大は非常に気に入ります。玉田はまず自分のことに必死で曲を聴く余裕がありません。そして作曲者である雪祈は、まだまだ不満足です。

大は、ドラムに必死で他の音を聴いている余裕がないと言う玉田のドラムが、いつのまにジャズらしくなってきていることに気づき、さらに雪祈に

「弱い!」

「お前の強い音、どこへ行っちゃった?」

と指摘されます。

玉田の成長と雪祈の努力に背中を押されるように、大は走り込み、泳ぎ、強い音を取り戻すために行動するのでした。さらにジャズバーのセッションに参加し、ソロで長い長い、さらにどんどん強さを待つロングトーンで回りを圧倒し・・・怒られるのでした。しかし、これで大は、自分の強い長い音が武器であることを確信します。

18歳のジャズナイト

大はライブを企画し、一人でチラシを作って配り歩きます。雪祈は無名の自分たちを聴きにくる人などいない、それにまだ初心者の玉田には事が大き過ぎると反対しますが、たった一人でチラシを配る大を見て気持ちを変えます。

ライブ当日、客はお店の常連客が3人だけです。大はその客席を見ながら

「この日を一生、覚えておこう。」

と誓うのでした。そして、ライブがあることも知らず、ただ酒を飲みに来ていた3人の常連、そしてHPに告知もせず、チラシも貼らなかった店長を一気に引き込む演奏をします。そして雪祈は、大が本番のステージで凄みを増し大きくなることを確信するのです。

一方玉田は、自分が予想していたよりずっと、何もできなかったことに傷つき落ち込んでいます。店長や常連客はライブの前後でまったく態度を変えるのですが、それは主に大と雪祈に対してで、玉田の存在感は全くと言っていいほどありません。大はその玉田の姿に、仙台のバードの初ライブの時の自分を重ねます。

バイトを控えているため、初ライブの打ち上げは自販機の缶ジュース、その打ち上げの席で玉田は、

「オレのドラム、クソだ。」

「オレ、抜けないと。」

その玉田に雪祈は

「125回」

と言います。玉田のミスの数です。何も言い返せない玉田に雪祈は続けて

「正直言うわ。」

「思ってたより、悪くなかったわ。」

その夜、一人になった玉田は橋の上で号泣するのでした。バードのライブの後大も泣いていましたが、それを大きく超えて泣きじゃくります。

翌日の練習に遅れてきた玉田は、手が震えてリズムが刻めなくなってしまい、理由をつけて練習場所であるtake twoから抜け出します。それを見た雪祈は大をなじります。

大が、ようやく少し叩けるようになった初心者の玉田をステージに引っ張り出したのが原因で、玉田は叩けなくなったのだと。さらにライブ中にミスを連発しすっかり委縮した玉田を助けることもできず、置き去りにして一人で吹いていたのだと指摘するのです。

一方玉田は、take twoから抜け出した先の公園で、奇妙な音を出す楽器のようなものを吹く男子中学生と出会います。

「それ、楽器?」

玉田は問いかけます。

「トランペットのマウスピースです。」

少年は、中学一年で吹奏楽部に入部したばかり、はじめは音が出せないので楽器には触らせてもらえずマウスピースだけの練習を続けています。彼の中学のブラバンは厳しく、小学校からの経験者は夏から楽器を使えるのですが、彼は初心者のためトランペットを触るだけでも先輩に怒られるが、秋には楽器を使えるのを楽しみにしています。玉田は彼に、

「頑張って。」

と言い残してその場を去るのですが、途中でそれが何か違うように感じ、公園に引き返して彼にこう告げるのです。

「頑張って、じゃなかったわ。」

「先輩、ぶっ飛ばしちゃえ。オレならそうする。」

玉田はその後、昨日号泣した橋の手すりをスティックで叩きながら

「大も雪祈も、全員ぶっ飛ばしてやる。」

と誓い、再び練習に励むのでした。

JASS

以前雪祈に自分のバンドに加わるようオファーをし、結果断られたジャズギタリストの川喜田が、小さなジャズバーに姿を現します。そこでは今時のジャズバーらしくなく、若い観客が歓声をあげ演者をあおり、さらに追っかけらしき若い女性客も黄色い声を張り上げていました。演奏しているのは「JASS」という若者のバンドです。サックス、ピアノ、ドラムの三人編成でベースレスです。

川喜田が探しあてた雪祈がそこにいました。曲の最中でも気に入らないプレイに対して言い合いをし、観客はそれに対しても盛り上がります。ステージと客席が一体になって作り上げる、まさしく「ライブ」な空間でした。そしてそこには玉田もいました。まだ大と雪祈の「fight」には入っていけない玉田ですが、いつか必ず殴り込んでやるつもりでいます。

川喜田は勢いのある三人の演奏、そして雪祈の挑発に対して目の前で成長を見せる大を目にして、マスターにギターを借り

「ちょっと負けに行ってくる。」

とステージに飛び入りするのでした。

いや、かっこいいな川喜田さん。

センスも才能もある十代の若者トリオと言えばこちら、ソルティドッグ (僕のジョバンニ)もそうです。オリジナル中心で、JASSはベース、ソルティドッグはドラムがいないところも、フライヤーにセンスの欠片もないところも同じです。(大がPCで作ったフライヤーは三人の焼き肉を食べる写真、縁の手書きフライヤーに至っては、ヘタな犬の絵が添えられているという代物)

二作品の連載時期からすると年齢的に5歳くらいJASSの方が上なのですが、この二つのバンドが出会ったらどんな感じなのでしょう。

・・・なんとなく、雪祈と縁が喧嘩して終わりそうな気がする。



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BULE GIANT5巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

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沢辺 雪祈(さわべ ゆきのり)18歳 担当パート、ピアノ

take2のアキコさんに教わったライブハウスで、大はピアニストの沢辺雪祈と出会います。一曲通して左手だけで弾き通し大の心を強く動かした雪祈は、大の右手の親指にできているタコを見てサックス吹きであることを看過し、さらに大の年齢を聞き

「一緒に組まない?」

と誘いをかけるのでした。雪祈の野望は、10代の若いプレイヤーで東京の音楽シーンの先頭に立つこと。そして、長らく日本のジャズ界でプレイするベテランミュージシャンにわからせてやるのだと大に語ります。

「あいつらがどんだけジャズをダメにしてきたか、あいつらのせいでジャズが負け続けてきたんだっつーのを・・・。」

そう言う雪祈の言葉を遮るように大は言います。

「ジャズを好きな人たちがいるから、今日もまたジャズがある。」

他の人がどう思うかより、自分しか出せない音を出すことに、必死だと。

生意気で傲慢、しかし心根は優しい雪祈と真っすぐでスケールが名前の通り大きく、とんでもない可能性を秘めた大、二人の才能ある若者の最初の出会いでした。

雪祈に連れられて行った日本屈指のライブハウス「So Blue」(モデルはBlue Note Tokyo)の立見席で、週三回通っているという雪祈が、ライブの音に合わせて一心に手すりを「弾いている」のを見た大は、

「雪祈、組もう。」

と言います。

3年間、どんだけやってきたんだ・・・

工事現場で誘導のバイト中の雪祈の元に、大から電話が入ります。サックスがメンテナンスから戻ってきたので、自分の音を聴いてほしいとの電話でした。バイトを終えた雪祈はTake Twoに向かいます。そこで雪祈は、大のサックス歴が3年であること、ブラバン部員ですらなくバスケ部であったことを知り、密かに軽くみるのでした。

大はピアノを弾こうとした雪祈を押しとどめ、

「オレ一人で吹いても、ヘタかどうか雪祈なら分かるべ?」

「一緒にプレーするのは、組んでからでいいんだべ。」

そういって一人でプレーし始めます。

吹き終わった大を、雪祈は何も言わずに帰します。そして、Take Twoのカウンターで一人涙するのでした。

大の音に心を揺さぶられた涙でした。才能と・・・努力に、感動したのです。

「たった3年で、どれだけ努力したんだ。」

雪祈は努力家です。口でも相当のことを言い、自信家でもありますが、それには才能だけでなくそれ以上の努力の積み重ねという裏付けがあってのことでした。その雪祈を、大の音は完全に打ちのめしたのでした。そして、その大の努力に感動する雪祈の努力も凄まじいもので、その雪祈だからこそわかるものでもありました。

ドラムは車。ドライブさせてくれる才能あるドラマー、急募!

大は雪祈からOKの返事をもらい、二人は一緒にやることになります。大は雪祈が大の音につき抜かれてしまったとを知りません。雪祈はあくまで、「合格」とだけ伝えたのです。

雪祈はリズムセkション、それもまずドラマーが必要だと言います。ドラマーの必要性がいまいちわかっていない大に、雪祈は

「ドラムは車だ。」

と言うのでした。ドラムは車、いいジャズドラマーはレーシングカーでも高級車でもスポーツカーでもトラックでも、すべての車になることができ、乗せている上物プレイヤーの音に瞬時に反応する耳を持っているのが才能あるドラマーだと。

大の家主である玉田は高校の時からサッカー部で、大学に入ってもサークルでサッカーをやっています。しかし玉田はサークルのサッカーの緩さに物足りなさを感じていました。。

勝手に玉田のアパートに上がり込み、決起集会を繰り広げ熱くジャズを語り合う大と雪祈に何かを感じた玉田は、サークルを辞めました。その足で、川原で一人練習する大の元に行きます。大は玉田に木の枝と空き缶を渡し、リズムを出してもらいます。玉田の叩くリズムで一心に吹く大を見る玉田の脳裏には、かつて全力で打ち込んでいた高校のサッカー部がよみがえります。一方大は、玉田の天性のリズム感に気づきます。玉田は自分にドラムができるのだろうかと大に問い、大はそんな玉田を雪祈の元に連れていき

「ドラマーの玉田君です。」

と紹介するのでした。勿論、雪祈は大反対です。押し切った大が玉田に叩かせてのセッションですが、初めてドラムに触った玉田は当然ついていけません。雪祈は玉田を帰し、素人とはやれない、自分たちには時間がない、と大に告げます。雪祈の夢は10代のメンバーでSo Blueのステージに立つこと。18歳の雪祈には残された時間は本当にわずかなのです。ジャズの高い敷居をまたいで越えてきた奴としか組めない、そう雪祈は言うのでした。

それに対して大は

「なら、オレもだ。」「ジャズの敷居、見たこともまたいだこともねえっちゃ。」

ドラマー 玉田俊二 ドラム歴4日

玉田が帰ってから4時間ほど雪祈とセッションした大が帰宅すると、玉田は毛布をかぶってバケツを叩き続けていました。それを見た大は

「やりてんだから、いいじゃんな。」

とつぶやくのでした。

玉田はさらに電子ドラムを購入し、教本を見ながら練習をはじめます。そしてドラム教室の体験レッスンにも参加します。玉田の生活はわずかな間にドラム一色に変わりました。

ちなみに玉田購入の電子ドラムは多分これ。作中でYAMAHAの箱で届けられています。値段も一緒。

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一方雪祈は、大学のジャズ研の同期のドラマー、上野を連れてきます。雪祈は玉田に、上野と玉田とどちらが上か玉田自身で決めろといいます。

大、雪祈、上野の三人のセッションがはじまりますが、大は雪祈のいうドライブさせてくれる車を上野に感じません。雪祈の求める反応のよさもなく、ついていくのがやっとでした。上野もすぐにそれを悟りサークルに戻っていきます。

玉田はそのあと、雪祈に止められながらもドラムの前に座ります。習ったばかりの8ビートでセッションが始まります。

セッション後に玉田とはやれない、という雪祈に対して大は、それが一番簡単だ。だからジャズがダメになるのだと言い放つのでした。

「オレは上手くても下手でも、感動できればいい。」

雪祈は玉田に今は正式なメンバーにはできないけど、練習には好きなだけ来ていいと言います。ドラマー、玉田俊二の誕生です。

So Blue・・・Blue Note Tokyo

雪祈の憧れのライブハウス、So BlueのモデルになっているのがBlue Note Tokyo

言わずと知れた日本のジャズクラブのトップに位置する名門です。ただSo Blueのように安い立見席はありませんので、雪祈が週3回通い続けるのは無理な気がします。

そのBlue Note Tokyoのステージに最年少で立ったのがLittle Glee Monster。MTV Unpluggedの公開録画でのことでした。2018年6月のことなので、ブルージャイアント5巻の本誌掲載時には10代のミュージシャンはまだいなかったことになります。

果たして雪祈の夢は叶うのか、これから先明らかになります。

Blue Note Tokyo

 

雪祈は「音楽教室なんか行くな」と独白するのですが

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BLUE GIANT4巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

ギャフン、っつたんだべよ!

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大をステージから降ろしたおじさんは、「一曲だけでも聴いてほしい。」という大の願いを受け、カウンターに座りなおします。

大はステージに上がり、川原で何度か感じてきた音と自分がつながる感覚を思い出そうとしています。つながれば、いける!そう思っているのです。吹き始めた大の音に、以前のライブを知っているバードのマスターやピアニストは、短い期間での成長を感じます。

けれども大は、間違ったことはやっていないのにつながれない自分を感じるのです。アンサンブルなのに一人で吹いているようにさえ思えます。あせりながら客席の由井を見ると、由井が自分の耳を差し、何か言っています。「聴け!」と。

それを見て悟った大は、改めて回りの音に注意を向け聴き始めます。他の3人のリズム隊は(ドラム、ベース、ピアノ)大の音がバンドにはまってきたことを即座に感じ、反応します。

しっかりとアンサンブルになったところで、大が前に音を出していきます。今度は一人ではありません。そこでつながることのできた大の創り出すラインにピアニストが引っ張られ、喜びの表情を浮かべます。そして例のおじさんは、大が宣言した通り度肝を抜かれたで見ていました

4人で創り出す音の波の中に大がいて、何か掴んだような顔で立っている顔が印象的なコマは原作で確認してください。大を、そろそろ人とやらせようとバードに連れてきた由井の判断は、やはり間違っていなかったのです。

大はおじさんに言います。

「高校を卒業したら、仙台を離れジャズプレイヤーになる。その前におじさんにもう一度聴いてもらいたかった。」

それに対しておじさんは、

「ギャフン、っつったんだべよ。」

と、相変わらず憮然とした表情で答えるのでした。

小っちゃい兄ちゃんは、もう帰ってこないんだ

大の妹、彩花は小6、雅之が大好きで、

「大きい兄ちゃんのお嫁さんになる。」

と公言しています。半面大とはいつも喧嘩ばかりしています。彩花の口癖は、

「小っちゃい兄ちゃん、やっぱ馬鹿だ。」

何かにつけて大を馬鹿にし、舐めた態度を取る生意気盛りの女の子です。雅之は大と彩花の母親代わりも務める大人で優しい青年ですが、次兄である大は彩花をからかったり意地悪をしたり、嫌われるようなことばかりしているので致し方ありません。けれども、雅之は家を出て一人暮らし、父は仕事で不在の時、インフルエンザにかかった彩花を負ぶって医者に連れて行ったのは大であり、彩花も実は大を慕っているのでした。それを二人の兄もよく知っています。

大はジャズプレイヤーになるため東京に行くことに決め、家族を集めその決意を話します。父の提案で、大は初めて家族の前でサックスを吹くのでした。大のサックスを聴いた父と雅之は嬉しそうな顔をし、彩花は涙を流すのでした。

彩花は大のサックスを聴いて、はっきりと悟ってしまったのでした。

「小っちゃい兄ちゃんはもう、帰ってこないんだ。」

Take Twoとの出会い、そして・・・彼がいた

大は東京へ旅立ちました。同級生の玉田のアパートに転がり込んでの居候生活です。生活のためのバイト三昧の日々です。深夜にやっと自分の練習ができます。初めて親元を離れ、まず食べなくてははじまらないという現実を目の当たりにします。

そんなある日、サックスをメンテナンスに出し練習ができない大は、街で見かけたジャズ喫茶に入ります。そこには客の姿はおろか、店主さえも見当たりません。BGMすらなく、流れてくるのはラジオの野球中継でした。

ようやく姿を現した店主は50代くらいの女性、ジャズはやっていないのかと聞く大に

「今日は、なし。」

と不愛想に答えます。そして、

「レコードでもいい?」

と大に問い、夥しい数のレコードから一枚を選び出しました。その膨大なレコードを見て大は、

「この人、ジャズを信じてるんだな。」

と感じるのでした。これが、Take Twoオーナーのアキコさんとの出会いです。

ライブが聴きたかった大でしたがレコードのよさも感じ、すっかりご機嫌になったところで、アキコさんからライブをやっている店を教わりそちらに寄ることにします。店に行ってみるとちょうどセッションの日でした。サックスをメンテナンスに出してしまった大はそれを残念に思いながら店に入ると、ピアノの前に彼がいました。

大が最初にバンドを組む同世代、雪祈(ゆきのり)との邂逅でした。

舞台は仙台から東京へ 大きく転換を迎えた4巻

大の最初のセッションで演った最初の曲はこれ。

Cherokee-Charlie Parker .クリックでyoutubeへ

大は、まず生活のためにバイトをし、「金がないのって甘くねえべ。」とレインボーブリッジを見ながら思います。そして、

「腹へった、腹へった、腹へった、腹へった!!」

と吹いていると、屋形船が近づいてきます。そしてそこに乗っていた客のサラリーマンからリクエストされます。それがこの曲

Herbie Hancock – Maiden Voyage クリックでyoutubeへ

その演奏は、大が初めてギャラをもらった演奏となるのでした。

ブルージャイアントで取り上げられている曲をまとめて聴きたい方にはこちらがお勧め

『ブルージャイアント』コンプリート・エディション [ (V.A.) ]

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100チェロコンサート記念!僕のジョバンニとのコラボ企画 

弦楽器の専門誌「サラサーテ」8月号で、「僕のジョバンニ」とのコラボ企画


サラサーテ2019年8月号

僕のジョバンニで鉄雄が弾く、ジョバンニ・バッツォーニの「チェロよ、叫べ!」

モデルになっているのはジョヴァンニ・ソッリマと、彼の作曲した「チェロよ、歌え!」

そのジョヴァンニ・ソッリマが8月に来日します。それを記念して、弦楽器の専門誌サラサーテ誌上で僕のジョバンニとソッリマの特集記事が掲載されます。作者の穂積さんの描きおろしの表紙とともに、ぜひどうぞ。

ソッリマが世界各国で繰り広げる100チェロコンサートが、8月東京で開催されます。その公式サイトに僕のジョバンニの作者、穂積さんがコメントを寄せています。こちらからご覧ください。

100チェロコンサートの公式サイトはこちら

 

 

 

BLUE GIANT3巻(ブルージャイアント)あらすじとネタバレ

二人の「師」・・・由井

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3巻の1話は、大の師匠の由井の日常を描いています。酒瓶の転がる汚部屋のソファで昼まで眠りこける由井に、一本の電話が入るシーンからはじまります。半年前に依頼されたCMソングの催促の電話でした。FAXする旨伝えて、ようやく由井の1日がはじまります。

自宅の地下スタジオでレッスンです。まず60代とおぼしき男性のサックスレッスンです。初心者らしい男性の課題曲は「蝶々」定年後に新しく挑戦した趣味、といったところでしょうか。緊張の面持ちで必死に吹く男性に由井は一言

「上手!」

さらに

「ジャッキー・マクリーンみたい。特にミの音が。」

と付け加えます。すると、それまで半信半疑だった男性の顔がパッと明るくなり、喜んで帰っていきます。やる気が出た様子です。

次の生徒はボーカルの女性、迫力のある体格の彼女にも

「上手!!」

{もう少し口角を上げ気味で歌うといいね。」

とアドバイスします。

その日最後の生徒は大でした。由井は怒鳴りまくります。本領発揮です。

大のレッスンが終わったあと、由井はバークリー時代の同級生、片山に会います。ピアニストの片山は、翌日のライブののため仙台に前のりしてきたのでした。由井は片山に通ってくる生徒の中に面白いやつがいると語るのです。

「ブルージャイアントが現れてお前の耳に届く日が来る。そいつだ。」

次の日、由井は大に片山のチケットを渡し、自分は幼稚園生のピアノのレッスンに勤しむのでした。そこには由井なりの思いがあるのでした。由井は密かに、一流という片山と由井の夢に一人献杯するのです。

けれど由井先生、大に対してだけではなく他の生徒にもいいレッスンしてます。レッスン室に酒瓶が転がったままなのは考えものですが。

最初のサックスの男性に対し、ただ「上手!」と褒めるだけではなく、「ジャッキー・マクリーンみたい。特にミの音が」と付け加えることで、具体的にどこがよかったかを伝えています。男性はジャッキー・マクリーンを知っています。知っているだけでなく恐らく憧れのミュージシャンであるのでしょう。ほんの少しだけ憧れの存在に近づけた喜びとともに、ミだけではなくファもソも他の音もジャッキーに近づけるように努力することでしょう。大にGの座標を与えたように、サックスの男性にも自分の中で一番ジャッキー・マクレーンに近いミの音を指標として与えたのです。

ただ、もしかすると作者の意図するところは、一流を目指して挫折した男が初心者を相手に無難なレッスンをしているが、大に対してだけは本気でレッスンするというところなのかもしれませんが、だとすると由井は作者の手を離れて勝手にいいレッスンをしてしまったのですね。そういうとこ嫌いじゃないですよ、由井師匠。

二人の・「師」・・・ミュージックティーチャー 黒木

雅之からサックスを贈られた大は毎日練習するのですが、どのキーを押しても同じ音しかでないことで悩んでいました。困った大はある日、音楽室に音楽の黒木先生を訪ねていきます。

黒木先生は定年間近と思しき女の先生です。白髪交じりの真ん中から分けたボブが70年代に青春時代を過ごした名残にも見えなくありません。その人柄は真面目でピュア。音楽室に来た大に両手をきちんと前で組み

「バスケットボール部の宮本君。」

と呼びかけます。バスケ部、なんて略し方はしないのです。大は黒木先生が部活まで覚えていることに驚きます。黒木先生は全生徒のフルネームと部活を覚えているのでした。

大の悩みを聞いた黒木先生は、大にサックスの運指表をくれました。「宮本君 がんばってください。」と書き込まれた運指表を頼りに運指を覚えていきます。

どうしたらうまくなるのかと問う大に黒木先生は、

「吹くの。毎日吹くの。」

「毎日毎日毎日毎日ずっとずっとずっとず——-っと毎日吹くの。」

「きっと上手くなる。先生応援してるから、ね。」

その言葉の通り毎日毎日吹き続けた大は、高校最後の学園祭。サックスのソロでステージに立つことを決めます。学園祭当日、ロックバンドがほとんどのステージでジャズという音楽の熱さ、激しさ、カッコよさを伝えにいきます。

一方黒木先生は、生徒たちのステージを見ながら、かつてバンドマンを目指した大勢の教え子たちに想いを馳せます。たくさんの子供たちが音楽を愛し、バンドマンを目指し、挫折していったこと。その子たちに自分は何かしてあげられたのかと自分に問うのでした。

大は最初の一音で観客を圧倒し、体育館中を沸かせました。そして2曲目は黒木先生をピアノに迎え、演ったのは校歌。大合唱になったところでジャズアレンジになります。黒木先生は立ち上がって熱いソロを繰り広げます。全員総立ちでした。ジャズが伝わったのです。

大は黒木先生に伝えます。黒木先生が音楽の先生でよかったと。音楽は人生に不可欠な、心の欲する栄養だと語った黒木先生の授業も間違いなく伝わっていました。

次の日、舞とデートをした大は舞に「仙台を離れる。」と告げます。由井にはジャズの道は険しいこと、調子にのるな、と釘をさされた大でしたが、若者にもジャズは伝わると確信したのでした。

2度目の「バード」で、あの人と再会

由井は大が急速に成長したことを感じます。毎日川原で一人きりで吹いている大に、そろそろ他の人と一緒にやる時期が来たと告げ、バードのオープンマイクに連れていきます。バードは何も知らなかった大が初めてライブをやり、最初の挫折を味わった店です。大は由井に、バードで演るなら聴いてほしい人がいると言います。

その日ピアノを弾いていたのは大の初めてのライブの日のピアニストでした。彼は大の参加を喜びます。自分の出番まで他の人の演奏を楽しむ大でしたが、スケールからはずれた音、合ってない音にすぐ気づきます。そんな聴き方をしたことがなかった大は、自分の耳が明らかに成長していることに気づきます。

そこにやってきた一人の酔客が、大の待っている人でした。最初のライブの時、大はバンドとのバランスを考えず川原で出している音量で吹いてしまい

「うるさいんだよ君は!」

と客に怒られてステージを下ろされてしまうのですが、その客がマスターに呼ばれてやってきたのでした。大の顔を見て帰ろうとする客に大は、一曲だけ聴いていってくださいと頼みます。

「必ずおじさんの度肝を抜きますから。」

と。

 

さて、由井先生は仙台にしかいませんが(しかも2次元の仙台にしかいませんが)こちらの教室なら全国どこからでも通えます。教室に酒瓶が転がっていることもありません。体験レッスンからどうぞ。

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