ギャフン、っつたんだべよ!

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大をステージから降ろしたおじさんは、「一曲だけでも聴いてほしい。」という大の願いを受け、カウンターに座りなおします。

大はステージに上がり、川原で何度か感じてきた音と自分がつながる感覚を思い出そうとしています。つながれば、いける!そう思っているのです。吹き始めた大の音に、以前のライブを知っているバードのマスターやピアニストは、短い期間での成長を感じます。

けれども大は、間違ったことはやっていないのにつながれない自分を感じるのです。アンサンブルなのに一人で吹いているようにさえ思えます。あせりながら客席の由井を見ると、由井が自分の耳を差し、何か言っています。「聴け!」と。

それを見て悟った大は、改めて回りの音に注意を向け聴き始めます。他の3人のリズム隊は(ドラム、ベース、ピアノ)大の音がバンドにはまってきたことを即座に感じ、反応します。

しっかりとアンサンブルになったところで、大が前に音を出していきます。今度は一人ではありません。そこでつながることのできた大の創り出すラインにピアニストが引っ張られ、喜びの表情を浮かべます。そして例のおじさんは、大が宣言した通り度肝を抜かれたで見ていました

4人で創り出す音の波の中に大がいて、何か掴んだような顔で立っている顔が印象的なコマは原作で確認してください。大を、そろそろ人とやらせようとバードに連れてきた由井の判断は、やはり間違っていなかったのです。

大はおじさんに言います。

「高校を卒業したら、仙台を離れジャズプレイヤーになる。その前におじさんにもう一度聴いてもらいたかった。」

それに対しておじさんは、

「ギャフン、っつったんだべよ。」

と、相変わらず憮然とした表情で答えるのでした。

小っちゃい兄ちゃんは、もう帰ってこないんだ

大の妹、彩花は小6、雅之が大好きで、

「大きい兄ちゃんのお嫁さんになる。」

と公言しています。半面大とはいつも喧嘩ばかりしています。彩花の口癖は、

「小っちゃい兄ちゃん、やっぱ馬鹿だ。」

何かにつけて大を馬鹿にし、舐めた態度を取る生意気盛りの女の子です。雅之は大と彩花の母親代わりも務める大人で優しい青年ですが、次兄である大は彩花をからかったり意地悪をしたり、嫌われるようなことばかりしているので致し方ありません。けれども、雅之は家を出て一人暮らし、父は仕事で不在の時、インフルエンザにかかった彩花を負ぶって医者に連れて行ったのは大であり、彩花も実は大を慕っているのでした。それを二人の兄もよく知っています。

大はジャズプレイヤーになるため東京に行くことに決め、家族を集めその決意を話します。父の提案で、大は初めて家族の前でサックスを吹くのでした。大のサックスを聴いた父と雅之は嬉しそうな顔をし、彩花は涙を流すのでした。

彩花は大のサックスを聴いて、はっきりと悟ってしまったのでした。

「小っちゃい兄ちゃんはもう、帰ってこないんだ。」

Take Twoとの出会い、そして・・・彼がいた

大は東京へ旅立ちました。同級生の玉田のアパートに転がり込んでの居候生活です。生活のためのバイト三昧の日々です。深夜にやっと自分の練習ができます。初めて親元を離れ、まず食べなくてははじまらないという現実を目の当たりにします。

そんなある日、サックスをメンテナンスに出し練習ができない大は、街で見かけたジャズ喫茶に入ります。そこには客の姿はおろか、店主さえも見当たりません。BGMすらなく、流れてくるのはラジオの野球中継でした。

ようやく姿を現した店主は50代くらいの女性、ジャズはやっていないのかと聞く大に

「今日は、なし。」

と不愛想に答えます。そして、

「レコードでもいい?」

と大に問い、夥しい数のレコードから一枚を選び出しました。その膨大なレコードを見て大は、

「この人、ジャズを信じてるんだな。」

と感じるのでした。これが、Take Twoオーナーのアキコさんとの出会いです。

ライブが聴きたかった大でしたがレコードのよさも感じ、すっかりご機嫌になったところで、アキコさんからライブをやっている店を教わりそちらに寄ることにします。店に行ってみるとちょうどセッションの日でした。サックスをメンテナンスに出してしまった大はそれを残念に思いながら店に入ると、ピアノの前に彼がいました。

大が最初にバンドを組む同世代、雪祈(ゆきのり)との邂逅でした。

舞台は仙台から東京へ 大きく転換を迎えた4巻

大の最初のセッションで演った最初の曲はこれ。

Cherokee-Charlie Parker .クリックでyoutubeへ

大は、まず生活のためにバイトをし、「金がないのって甘くねえべ。」とレインボーブリッジを見ながら思います。そして、

「腹へった、腹へった、腹へった、腹へった!!」

と吹いていると、屋形船が近づいてきます。そしてそこに乗っていた客のサラリーマンからリクエストされます。それがこの曲

Herbie Hancock – Maiden Voyage クリックでyoutubeへ

その演奏は、大が初めてギャラをもらった演奏となるのでした。

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